相手に関心を示して心を開き商談をスムースに進める営業スキル「レコグニション」
営業スキル「レコグニション」をコーチングスキルとして活用する
「日本では教えらえていない営業スキル『相手に関心を示す=レコグニション』を学べる営業本をおすすめします」という記事で、営業マンが効果的に相手の心を開く営業スキルをご紹介しました。
このスキルは商談相手に用います。「相手の肩書を外す」「相手が聞いて欲しい話し」「自慢したい話し」を聞き出す事で心を開く事が簡単にできます。いくつかの実例を示してどのように使うのかをご紹介しましょう。
この営業スキルを事例集から学ぶおすすめの営業本は、Amazon電子書籍Kindle「3000人の営業同行の現場から~パート①」です。営業スキルに特化して書かれた実践的な営業本です。
レコグニション・スキルの実例:相手の肩書を外す
顧客である年配の看護師長さんの所へ定期報告に伺った時の事例です。担当の営業マネージャーが 、看護師長の使って居たペンが変わって居た事に気づいて尋ねました。
「あれ、いつものスヌーピーのペンじゃないですね。ミッキーマウスに変えられたんですか?」
「ああ、先週孫がディズニーランドでお土産に買ってきてくれたの」
いつも厳格な印象の看護師長はこの話題になった瞬間に「おばあちゃんの顔」になっていました。
前の記事では厳格な事務長が「3歳と6歳の息子とのベイブレード・ゲーム」で楽しんでいるお話しから、「父親の顔」になって商談がスムースに進んだ事例を紹介しました。
中国地方でのある商談で初回訪問で名刺交換すると「安徳(あんとく)」さんというお名前。
私は歴史好きなので思わず「とても畏れ多いお名前のようですが、壇ノ浦にゆかりのあるお方ですか?」とお聞きしました。すると表情があまりなかった担当課長が一転笑顔になり「はい、一応・・・そのような言い伝えが身内にはありまして・・・」と話し始めました。
「壇ノ浦の戦い」は源平の最後の合戦で、平氏が敗北。幼い安徳天皇が平氏の女御たちと入水自殺したとの故事があります。
彼の話によると「安徳天皇は生き延びた」という歴史上の噂が先祖から伝わっており、安徳と言う隠れ里が彼の出身地だと言います。
このようなお話は、たまたま私が「彼の名前に食いついて」聞けたお話ですが、「私が彼の事を知りたい」と思わなければ、このようなお話にならなかったでしょう。
相手が話したい・自慢したい話しを聞き出す
人には必ず一つや二つ「人に聞いて欲しい」という自慢話があります。
学生時代の部活での栄光の歴史・会社での業績・バブル時代の武勇伝・若い頃は無茶苦茶モテた・プライベートで行っているボランティア・実はオリンピック選手だった・海外留学した事がある・・・
あるいは次のような人がいたら気になりませんか?
・歩き方から柔道をしていたと分かる人。
・太ももや腕、クビががとても太く、ラグビー選手だったかと思う人
・やたらに日焼けしている人。
・サングラス焼けをしている人。
・右腕だけ日焼けしている人。
・言葉じりに大阪弁(あるいは分かり易い特徴的な方言)が混じる人。
このような人の特徴が気になったら、尋ねてみましょう。きっと面白いお話が聞けるに違いありません。
好奇心の強い営業マンは人脈を作り上げる
相手に関心を示すには、「相手の事が気になって仕方ない」という好奇心が必要です。
好奇心の強い人は営業マンに限らず、相手を大切に思いますのでその気持ちは先方に伝わりますので、お互いの話しが弾みます。
こうなるとお互いに胸を開いた話ができるので、ビジネス上のつながりにとどまらず、深いお付き合いが長期にわたって続き、広い人脈を作る事が出来、ビジネスで成功する事が出来ます。
人は同じ出身地と聞くと、一気に親近感を持ちます。
地方出身の方は「自分と同郷者」と分かると、とても親近感を持って接して来ます。
私は商談相手が小学校時代の同級生だったことがあり驚いた事があります。お互い名刺交換までは全くわかりませんでした。40年以上たっていると外見はかわりますね。
自分の故郷のそれも近くに住んでいた人、とわかるだけで「地元民だけが分かるお話し」になります。それは非常に距離感を縮めます。
私の経歴を名古屋で初対面の社長に話したところ「私の中学時代の友達が同じようなものを扱っていたな」と言うので名前を聞くと、前の会社での私の同僚部長である事が分かり驚きました。
おかげですっかり商談がうまくいきました。
これらは「先方の出身地」をそれとなく気になって聞き出したことから展開したお話しです。好奇心は必要だなといつも思います。
人は相手から「自分の故郷に行った事がある」と言われると、とても嬉しくなります。田舎の方ほど喜んでくれます。
そして心を開いてくれます。
レコグニション・スキルで相手の心を開くとこちらの話を聞く用意ができます
「よいしょ」「お追従(おついしょう)」「お世辞」で相手を持ち上げようとする 営業マンのトークは、 下心が見え透いていて、毎日営業マンに会っている購買担当者は、うんざりしてしまうのです
心から相手に関心を示す事で相手も心を開いてくれます。そして心がすっかり和らげられ、警戒感が解除され、こちらのお話しを聞く準備ができるのです。
Youtube で営業スキルを学びましょう
営業スキルを学ぶ為のノウハウは、Youtube でも学べます。
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