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営業支援事業

商談相手の心理を読み取る営業スキル② トップ営業でも「最初からだめだと思っていると」失敗する

 

このトップ営業は「相手が商談後、入口まで歩きながら『本社を崩してくれると嬉しいな』と言った」事を、まったく覚えていませんでした。
「そう言えばそのような事を言っていました」と、ようやくその重要な発言を思いだした彼に、「『嬉しい』のは誰なんだろうね?」と質問すると、即座にこの優秀なトップ営業は自分の致命的なスルーに気づきました。

この部長は「僕はこれを気に入った。本社を説得してくれないかな」と水を向けてくれていたのです。
相手のメッセージは、同行していた上司もしっかり理解していました。しかしトップ営業であるはずの彼だけが聞き落としていました。他の重要なメッセージもスルーしていました。

「今日のあなたの説明を聞いて、私の考えが変わりました」と商談相手が重要なコメントを言っているのにも「それはよかったです」とだけ答えていました。見事なスルーをしていたのです。
彼の上司と私は、この二つのメッセージから相手が完全に気に入っており、導入したがっている事が分かりました。

なぜトップ営業の彼がこのようなミスをするのでしょう。
彼は振り返りを通して「本当だ。これはもう完全に前向きですね」と驚き、自分がスルーしていた事にショックを受けていました。今回は上司が気づきましたが、彼が一人だったら、「ここは興味が無い」と判断していたでしょう。

彼がミスした理由はこうでしょう。

彼は「15分しか時間が無い」という言葉に縛られ、最初から「ここはダメだろう、という気持ちでいた」「何とか理解してもらう事ばかり考え、商談にのめり込んでいた」事に気付きました。このように自己分析を習慣化すると、単独訪問の時にも自己分析をするようになります。

 

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