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営業支援事業

営業同行後のフィードバックで部下の営業スキルを伸ばす④

 

営業スキルは、誰にでも分かりやすく説明でき、共有できるようにしなければ組織で役立てる事ができません。つまり「伝説の営業マン」にしか使えない営業スキルは、「職人芸」に留まり、その方の引退と共に消えてしまうのです。なんとも勿体ない話しです。

ある会社の伝説の営業スキルを持つ役員と、その部下の商談に同行しました。

商談で役員は相手を魅了して飽きさせません。笑いが絶えない商談で、いつのまにか成約していました。商談後、役員にフィードバックをお願いすると「ま、うまくいってよかったね。」と言われただけでした。

そこで部下の方に「役員がどうしてうまく成約できたと思いますか?」と聞くと「素晴らしい営業トークのおかげです」と感激と感謝で興奮気味に話します。まるで「スーパースターの芸を目の当たりに見た!」ファンのようです。

そこで私から役員に「あの素晴らしい営業スキルのポイントは何でしょうか?何があれほど相手を魅了したのでしょうか?」と尋ねてみました。

役員の答えは「う~ん、なんだろうね。考えたこともないなあ。僕、いつもあんな感じで何となくまとまるんだよね。もともと人と話をするのは好きだからね」と言うものでした。
この役員は自分の営業スキルが何であるか、十分認識していませんでした。これで部下に伝わるでしょうか?

私は部下の方に「先ほどの役員のセールストークを真似できますか?」と聞くと「いいえ!とんでもない!無理です!」と激しく否定します。
部下は「上司の営業スキルはすごい!」とレスペクトするだけで、全く学べていません。いいえ、学べるものとすら思っていませんでした。

しかし、これはよくある典型的な商談後の振り返りなのです。

残念ながら「商談後振り返り」のほとんどは「説教・ダメ出し・指摘」です。もっとも、上司が結果を出せた場合は機嫌が良いので、あまり部下が責められることはありません。
せっかくの「伝説の上司の営業スキル」も部下が理解できず、学べないのなら全く役立たないのです。

部下を育成するには、先ず上司自身が「無意識に使っている営業スキル」が何であるかを認識しましょう。
「これは私が業績をあげているスキルなんだ」と自身の営業スキルを理解する事で、それを部下に伝えようという意識が働きます。そうするだけで、コーチングの内容は大きく変わります。

 

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