Sales Support

営業支援事業

営業スキルが低い人は、大切な情報を聞き逃します

 

営業がうまく行かない人の多くは「一人で一方的に喋って」います。
一人で営業していると、気付きません。そのためにも上司による営業同行は大切なのです。
営業成績の悪い営業担当者の多くは、「相手の話を聞かない」「一人で喋る」ので、相手の重要な情報を聞き逃しています。

先日もある同行で商談後に話し合うと「今の商談はダメでした」と営業担当者が言います。しかし彼の上司と私は、最後に相手が「お宅にお願いするとよくなりそうだね。よろしくね」と言っていたのを聞いていました。
営業担当者にその事を言うと、彼は「全く覚えていませんでした」とショックを受けていました。

営業がスルーしてしまった事例を別のノートに記しました。
ここでは「どうして我々営業はスルーしてしまうのか?」について考えてみましょう。

営業担当者が相手の大切な言葉をスルーする時は、どのケースでも共通した「営業の心理」が見られるのです。

みなさん「ご自身がスルーしたことはありますか?」この質問を企業研修ですると、面白い結果が見られます。
ほとんどの方が「スルーの経験がある、と思う」と、おずおずと手を挙げられます。
彼らは自身のスルーについては「多分スルーしていると思うけれど、池田さんから聞いた事例程、ひどいことはしていないと思う」というレベルでの認識でした。
しかし中には「そのようなことは私にはありえない」と自信満々の方も居られます。

ある転職組の課長さんは「私は前の会社で営業研修担当だった。スルーについては、みんなに口やかましく言っていたし、ロールプレイでも同行でもちゃんと指導してきた。私自身が見本を示してきた」と仰っていたので、みんな感心していました。
ところが彼がロールプレイを営業役でされたところ、見事なスルーっぷりを披露してしまいました。それにもかかわらず、課長自身は終了後「自分がスルーした」事に全く気づいて居ませんでした。

この事から「スルーしている事は自分では気付きにくい」という事が分かります。
実際「君、私の言葉聞いていなかっただろ!」などと「スルーしている事を商談相手から指摘されること」はありませんね?
つまり私達は「自分が実際にどれほどのスルーをしているか」分かって居ないのです。それだけに私のような「商談に利害関係の無い第三者」が同行して横で聞いていると非常に明確にスルーしているのが見えるのです。

私が営業同行をしていますと、スルーをしていない営業担当者は皆無です。聞くべき相手の言葉を聞き逃しています。どうしてこうなるのでしょう?

最初にお話しした「どのケースでも共通しているスルーをする時の『営業の心理』」とは、「紹介する内容で頭が一杯になっている」状態です。

営業がスルーしてしまった事例」のところで紹介した全てのケースで営業担当者は「商品・カタログを右手に持って」いました。これがどのように商談トークに影響するのでしょうか?

みなさんは初回訪問や新商品紹介の時、頭の中は「伝えたい内容」「作ってきたシナリオ」で一杯になっていませんか?先のケースではそれに加えて、「紹介する材料を既に手に持っている」という状況です。気持ちは完全に右手を通して商材に行ってしまっており、相手の言葉や仕草を観察する心の余裕はありません。「私は緊張しないし、パニックになることなんかない」と言う方も多いのですが、精神的に緊張していなくても「話したいことで頭が一杯」になると、人は他の事が考えられないようです。

その結果、相手の言葉に「適当なあいづちは打ちます」が、何も聞いていない状況になるのです。

 

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