Self Reliance

自立支援事業

どこに成功への情報が転がっているかわからない

朝日新聞2014年12月28日の「10代、こんな本に出会った」で料理研究家の行正り香(ゆきまさ・りか)さんの興味深い経験が載っていました。

彼女の高校時代の成績が下から数えたほうが早いレベルにあった事からご両親が「手に職をつけたほうが良い」と勧められました。
高卒後は自立する決心をした彼女は、大学へ行かない代わりに1年間カリフォルニアの高校に留学するも、ホームステイ先では「体のいいお掃除係」で「大草原の小さな家」で憧れていたアメリカの料理も期待外れ。
しかし遊びに行った先のおうちの方が「むさぼるようにお菓子を食べていた」彼女を「うちにおいで。そして、地元の市民大学(コミュニティー・カレッジ)に入学し、うちの夕食を週5日作ってくれたら部屋をただで貸そう」と申し出てくれたそうです。

これがきっかけで彼女は勉強に目覚め、カリフォルニア大バークレー校に編入します。
「人生、何がチャンスかわかりません。だから素直に流れに乗ってみる」というコメントにはとても大切なポイントがあります。

学力の不十分だった彼女でしたが、英語が好きでアメリカの小説で読んでアメリカのパイとかスコーンなどに憧れていて「絶対に食べてやる」と目標をもっていました。
期待外れのホストファミリーでの食事にもかかわらず、助けてくれる家族が現れ、そこでの料理担当としての生活で料理の腕が磨かれます。
そして勉強嫌いだったのに、市民大学の授業で出された課題の「恋愛小説」にはまり、勉強に目覚めます。

彼女の眠っていたCompetency(料理、勉強など)が目覚めて来るプロセスがよく見えます。
そしてそれを活用して今の「料理研究家」というベストの職業に就き、幸せな人生を送るようになりました。

どこでどうなるか分からない人生ですが、きちんとアンテナを張っていれば、必要な情報が周りに現れます。「自分自身」が眠っているCompetencyを知っているので、それにあった仕事の情報をこのように集めてくれるのです。