Sales Support

営業支援事業

営業ニーズを探る方法:相手の心理、経歴から

 

営業同行をしていますと、相手がニーズを何度も伝えているのに、営業マンや上司が全く気づかない事がよくあります。
次の事例は非常に興味深いものです。相手の心理状態をじっくり観察することで、ニーズを探る事が出来るのです。

ある商談で新らしい商材を紹介しました。商談相手はそれを使った工事が得意な部長でしたので、こちらの営業マンも営業課長も意気込んで紹介していました。
私はとても良い印象を受けました。
しかし、商談後の振り返りで営業マンは「あの部長は『予算がない』とばかり言っていて、買う気が感じられなかった」と言い、「ここは見込みがありません」と判断したのです。営業課長も同じように感じたとの事でした。

そこで商談中の相手部長の言葉や、彼の経歴から分かる事を3人で考えてみました。

先ず私は「彼は自分の仕事の方針に関して、何度も同じ言葉でこちらに伝えていたけれど、それに気づいたか?」と聞いてみました。しかし二人とも思いだせないとの事でした。
そこで「彼はどんな性格だと思う?」と質問を変えてみました。

すると営業マンから「こだわりが強い人」、営業課長からは「危機感が強い」という意見が出ました。
次に「どこからそれを感じたのか?」聞いてみました。なかなか思いだせないようでした。しかし「そう感じたからには、何か絶対に理由がありますよね?」と話していると、ようやく私が聞きたかった部長の言葉が出てきました。

それは「人と違う事をしなきゃだめなんだ」と言う言葉でした。

実は商談中、この部長は3回もこの言葉を発していました。
更に大事な情報を営業マンは、商談前に私達に話してくれていました。それは「部長は転職組です」と言う情報です。

彼が転職者なら、この会社でどう言う立場なのか?何をしようと考えているのか?について二人に考えてもらいました。

営業マンは新卒でこの会社に入った人でしたが、営業課長は「転職者」でしたので、「あっ!」と言いながら「そうか!つながった!彼はこの会社で早く実績を出そうと焦っているんだ!だから人と同じことをしていてはダメだ、と3回も言ったのか!」と彼の気づきを話しました。

営業マンも驚いて「相手の経歴まで考えて、ニーズや心理を探ったことなんかない」と言いました。

これらの情報からこの部長のニーズは簡単に推察出来、彼にどのようにアプローチをすべきか分かりました。
この後、それらの内容をまとめた提案書を提出する事になりました。

 

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