Self Reliance

自立支援事業

行動あるのみ

「世界のこんなところに日本人がいる」という切り口で私たちには想像もつかない外国の地で思いもつかない生活、仕事をしている人を紹介する番組が最近とても多いです。みなさんもご覧になることがあると思います。

あのような番組を見る時、どのような気持ちになりますか?

色々な人に聞いてみると「自分にはできない」と感じる人と「自分にもできそうだ」という人に分かれます。この差はとても興味深いです。

先日見た番組では南米一貧しい国ホンデュラスで暮らす31才の日本人男性のお話でした。
そこでは彼がアメリカで3千万円の寄付を集め、50世帯の住める村を地元民と手作りで作り、さらに孤児院まで作り、30名の子供の父親代わりをしていることが紹介されていました。

ホンデュラスは貧しいだけあって治安も非常に悪く、犯罪で死ぬ確立は日本の300倍。日常的に誘拐、強盗が行われる国でき、子供らはさらわれて売られます。
路上生活をするストリートチルドレンも多く、彼らの多くがギャングなどに連れていかれ組織員として育てられていきます。
そのような国の孤児院へ大学生の時に初めてボランティアで参加した彼が小さな女の子の願いから「家族が安心して暮らせる家」を作る決心をします。
それまで彼は人生の目的もなく暮らしていましたが、その子の願いをかなえるという目標ができました。

彼が最初にしたことはアメリカで寄付金を集める事でした。
彼自身貧しい大学生。バイトで食いつないでいた状態だったので資金は全くありませんでした。しかし3年かけて3千万円を集めました。
ホンデュラスに帰った彼は安い沼地を買い求め、そこに住みたいと望む人々と一緒に沼を埋め立て、コンクリートの家を50軒建てました。
みんなで地面をならし、コンクリートをこね、土台から作っていく映像が流れていました。

更に孤児院を作りましたが、ギャングらが何度かそこを襲ったため頑丈な鉄の門と高圧電流を施した有刺鉄線で施設を囲み、ショットガンで武装した数人の軍人を雇いました。
そして彼は既に20の学校を建てました。
「子供達は銃やナイフではなく、ペンやノートを持つべきだ」と彼は話していました。

このようなことを20代の日本人の若者が危険な環境の中で達成しました。
私には想像もできないことです。しかし、本当に「想像もつかないこと」なのでしょうか?

「自分にはできない」「自分にもできそうだ」のどちらの感想を持たれたかわかりませんが、もうひとつ付け加えると彼は「子供嫌い」であったことです。
それが孤児院で他人の子供の父親代わりをしているということもとても興味深いです。

私たちは簡単に「自分にはできない」と思い込んでいないでしょうか?

彼のモチベーションの根底には高校生の時、アメリカの高校でひどいいじめにあった経験がありました。
いじめられていた彼を助けてくれたのが南米系のマイノリティーのクラスメートでした。彼のおかげでいじめはなくなりました。それから彼は「自分もいじめられている人を見たら助ける人間になろう」と決心します。
しかし実際にそのような現場に出くわした時、彼は逃げてしまいました。

その経験から「二度と逃げない。困っている人が居たら必ず助ける」と言う決心をしたそうです。
これがホンデュラスで段ボールやビニール、こわれそうなトタンの家に住む人々のために台風が来てもつぶれないコンクリートの家を作ること、ギャングにならないようストリートチルドレンたちを孤児院で救済する、みんなに教育の機会を与える、というモチベーションになったようです。

私たちは目標やビジョンを立てる時「こんな荒唐無稽こうとうむけいなビジョン、絶対に達成できない」「自分はこれができないから(例えば「人前で話せないから」「英語ができないから」)、絶対にこれはできっこない」と思いがちです。自分のまわりに見えない壁を作ってしまい、そこから出ようとしない傾向があります。

世界で活躍している日本人の中にはまったく想像もしなかった人生になっている人が多く居ます。
そんな彼らに共通しているのは「行動力」だと私は思います。
モチベーションがなくてもホンデュラスの彼のように何かでスイッチが入ることもあります。特に目的もなくホンデュラスの孤児院へボランティアに行ったことが彼の人生を変えました。

自分のビジョンに対して自信が持てない方も「できない」と言わず、行動してみて下さい。動けば必ず道が現れます。それはRPG(Role Playing Game)などで突然目の前に新しい場面が展開するようなものです。

ゲームの世界で簡単に次々と画面をクリアしていく人がいます。彼らはバーチャルだからやり直しがきくから大した勇気も使うことなく、どんどん次々と進んでいきます。
このような彼らでも現実社会では臆病な人が多く居ます。どうしてでしょうか?
それは失敗すると実害をこうむるからです。ダメージが大きいとやり直しがきかない、と思うからです。
しかし現実社会もバーチャルのゲーム世界も私は同じだと思うのです。現実社会でもやり直しは何度でもできます。

このメッセージのテーマは「行動あるのみ」です。これこそがビジョンを実現するにあたっての鍵です。
仕事やバイトから戻って疲れたあなたはテレビをつけてコンビニ食やお菓子を食べてぐったりするのかもしれません。
しかし成功している人はその時間を自分のビジョンの確認とモチベーションアップに使っています。

私も出張などで疲れて帰ってきても、必ず自分自身をモチベーションアップしてから眠りにつきます。
それはビジョンを見ることであり、ビジネス・シミュレーションをしてやる気を高める事であり、自身のモチベーションを高める本などを読むことです。

「行動してみる」。これをお試しください。