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営業スキルは「阿吽(あうん)の呼吸」で学べません

「俺の背中を見て学べ」的なコーチングになっている理由について、日本での研修中に気がついたことがありました。
それは「理由づけのスキル」について話し合っていた時のことです。

日本人は「理由づけの説明がとても苦手」だと言われています。
ある外資系メーカーのアメリカ人社長が、雑誌のインタビューで次のようなコメントをしていました。

「日本人は『これはよく売れていますよ』『人気ですよ』としか説明しない。この説明では抽象的すぎて分からない。しかし『お試しになった方の89%が購入され、そのうちの90%がリピーターになられます』という表現なら、絶対伝わる」と言うものです。

「阿吽の呼吸」の説明として「一を言えば十を知る」あるいは「全てを語らないでも、さわりの部分を語ってもらえれば残りの部分は理解する」つまり「忖度する」という例を思いつきます。

日本人は自分の考えをはっきりと言い切りません。相手を傷つけたくない、遠慮してしまう、などの理由と研修生の皆さんは答えます。

商談でも「結論は言わず、あとは忖度してください」という話し方をする方がとても多いです。

それは日本語を英語に通訳をしていると、よくわかります。最終的に結論が何なのか、分からない説明が多く、通訳に困り「結論は何ですか?」と聞く事がよくありました。私に聞かれて初めて日本の方は「自分が結論や理由を言っていなかった」事に気づく場合もあれば、「わざと言ってないのだから、そこは上手く訳してよ」と言われる事もあります。

このように「阿吽の呼吸」や忖度で伝わらない事は外国人に限らず、日本人同士でもよくあります。
その最たるものが「部下はこのくらい言わなくても分かってくれたよね」という上司の方々の思いこみです。

よく使うフレーズですが、「部下は上司が思っているほど、上司の言動から学んでいない」のです。

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