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営業コーチングスキル:商談中に得た情報のすり合わせ

「営業同行は大切な部下の育成の場」で、次の3つを行うと記しました。

上司のスキルの継承
②商談で得た情報の確認、すり合わせ
③商談中に感じた部下のスキル不足の改善

①については色付けした部分をクリックすると、その記事にリンクします。②の「商談で得た情報の確認、すり合わせ」について考えてみましょう。

これは商談後のフィードバック(Post-Call)で行います。商談を終えると、なるべく時間を置かず、記憶が鮮明なうちに「商談の振り返り」を部下と共に行いましょう。

商談中は相手の言葉から必要な情報、宿題などを探り取ります。この情報量が上司と部下では経験差から異なる事がよくあります。みなさんもご経験があるかと思います。特に新人の場合、うっかりすると大切な頼まれ事を聞き逃していたり、メモし忘れていたりすることがありますので、後で大変なことになります。

上司が「10の情報を得た」とすると、部下は「6つの情報しか得ていない」かもしれません。そのため、先ず同行時は上司も部下と一緒に「絶対に忘れてはいけない情報」をメモしておき、商談後に「お互いの認識にずれがないか」をすり合わせておきましょう。

先日もある企業の「社会人3年目の営業担当者」と「営業マネージャー」との営業同行がありました。

残念ながらフィードバックの時間が十分取れなかったので「スキル面でのフィードバック」に集中したPost-Callだけを行いました。1か月後、再びこのコンビに同行しました。上司の話によると、前回の同行で「情報のすり合わせ」をしていなかったので、「あの時頼まれていたことを部下が忘れていて、ひどく叱られた」とのことでした。今回の同行はそのお詫びとそれによるトラブルシューティングとなりました。マネージャーの方は「3年生なのでもう大丈夫と思っていた」「非常に重要な宿題の確認を怠って居た」と仰っていました。情報のすり合わせを行っていれば、避けることができたトラブルでした。

一言Post-Callで確認し合いましょう。
「さ、今日の商談で相手から言われた宿題と、君が重要と感じた情報は何だった?私のメモとすり合わせてみよう」部下のメモの取り方もその時に指導してあげることができます。

情報のすり合わせが大切な理由はもう一つあります。
「部下がどのくらい今の商談を理解したか、上司が確認できる」事です。

前述のように、上司が「10の情報を得た」のに部下は「6つの情報しか得ていない」場合、「なぜ部下は4つの情報を聞き逃したのか?」という点が大切になります。

・リスニングスキルが不足している。
・ぼんやり聞いていた。
・重要性が認識できなかった。
・商談内容が十分理解出来ていなかった。
・専門用語や業界用語、一般常識が不足していた。

など色々な原因が考えられます。新人のうちはこの辺りは丁寧に指導されますが、「中途採用社員」や「途中から自分の部下になった経験の長い営業担当」等は彼らの能力が分かりません。しかし「社会経験があること」「実務経験があること」で油断してしまう上司はとても多く見られます。この「情報のすり合わせ」を行う事で部下のスキル、実務能力を把握することもできるのです。

 

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