Coaching

コーチング事業

レコグニションを活用してフィードバックを行う

「レコグニション」という聞きなれない方法をアメリカ企業ではよく用います。
これについては2019年8月上旬に出版する拙著「3,000人の営業同行の現場からパート2 ~パワハラ・モラハラをオフィスから無くし、部下の人生を豊かにするコーチング術「実践集」~」に詳しく記しましたので、ご参照下さい。

人は「自分の事に関心を示されると心を開く」という原則があります。
たとえば、何年も会っていない友達から家族一人一人の名前をあげて「元気にしてる?」と尋ねられるだけでなく「そろそろ大学進学じゃないの?」「まだ吹奏楽部でトランペット吹いているの?」など年齢や部活の事まで尋ねられたら、どう感じますか?
他人の家族の名前は失礼ですが、すぐ忘れてしまいます。それがそこまで覚えていると言うのは、よほど「私の家族に関心を持ってくれている」「心をかけてくれている」と言う事で、感激させられます。

あるいは上司から会議中に、「池田君がこの間出した提案だけど、私は素晴らしいと思う。みんなどう思う?」と自分の意見を取り上げてもらったらどう感じるでしょうか?嬉しいと思います。
それは「自分が評価された」と感じるからです。

このように人は「自分に関心を向けられる」と喜びを感じます。そして「それをしてくれた人に心を開きます」

これをレコグニションと言います。英語ではRecognition 。動詞はRecognize。辞書には「認識する」「認める」などの意味がありますが、次のような使い方をすると少し異なる意味になります。
アメリカのホテルなどで「今月のレコグニション賞」などとして廊下に従業員の顔写真が掲示されていることがあります。その月にお客様から高く評価されたスタッフを「レコグニション」しているのです。
スタッフは知らない間にお客様からそのような評価を受けている事に喜びを感じます。

あるいは上司が部下に対して「やあ、ここのところいつも遅くまで現地調査をしているんだって?お客様が喜んでおられたよ」と肩をたたいてすれ違った時にささやきます。
部下は、上司が「ちゃんと自分のがんばりを見てくれている」と感じ幸せな気持ちになります。
これもレコグニション、です。

そうなりますとレコグニションは、単なる認めるとか認識すると言う言葉を超えて「その人のした事を認識し、評価することでモチベーションを上げる行為」という事になります。

私達はフィードバックの中でこのレコグニションという方法を頻繁に取り入れます。これにより部下は上司に対して心を開くようになりますので、上司のアドバイスを素直に受け入れる準備ができるのです。

パワハラ・モラハラで部下を委縮させ、上司との距離を広げてしまうのとは真逆の手法とお気づきになると思います。

 

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