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2019.08.13営業スキル関連

「商談相手自身に真のニーズ・問題点」に気づかせる営業スキル

商談相手が「自身の真のニーズ」「本当に困っている事」に気づいていない事があります。そして、商談を通してその解決策に気づく瞬間があります。
「それ!それだよ!私がずっと考えていたのは、それなんだよ!それを解決する方法があるの?」など、相手の頭の中で何かがかみ合って「こちらの提案に食いつく」あるいは「こちらに提案を求めてくる」事があります。
このような瞬間はどのような時に起きるのでしょうか?

私の3,000人超の営業同行では、このようなケースがたくさん見られました。それは全くの初回訪問であっても、既存顧客との会話の中でも発生する特別な状況でした。
共通しているのは、「商談相手も営業担当者も真のニーズ・問題点については気づいていない」と言う事です。
つまり商談相手自身も「自分が何に困っているのか分からない」「営業担当者は懸命に相手の役に立つ提案をしようと思っているが、どこに解決の糸口があるのか分からない」という状況です。

相手の真のニーズを探る『プローブ』」と言う記事で記したように、プローブを繰り返していくと、商談相手は知らず知らずのうちに「自身の問題を探り始めます」。
そして営業担当者は、それをどんどん深掘りする事でその考えを助けます。
勿論営業担当者には「自社製品を買ってもらいたい」という気持ちが強くありますから「我が社の製品の特長を生かして、この問題を解決できないだろうか?」と真剣に考えるわけですね。
その結果、両者の話し合いが相乗効果(シナジー)を生み、解決法が見出せる事があるのです。

そしてそれは、商談相手も「思いもしなかった問題点」であり、「思いもつかなかった解決策」なのです。
このような経験を通して、営業担当者と商談相手との間には共通体験が生まれ、心が通い合う事になります。

私も医療機器を販売していた時に、何度か顧客である外科医の方々の問題・悩みをお聞きすることがありました。
ある時「この症例では、今の医療機器技術では手術がうまくできない」「どうすればもっとアプローチが簡単にできるのか?」などの話し合いを繰り返す中で、ある解決方法に気づき、それを提案しました。しかしそれには厚労省の認可など、日本に導入するには長期にわたる手続きが必要でした。
それでも2年半かけてそれを成し遂げた時、先生達から「池田さんが居なかったらこの手技は日本ではできなかった」「あの患者さん達は救えなかった」「ありがとう」という言葉をいただきました。
感無量でした。

私がしたことは、先生達の問題点・悩みをプローブで聞き出し、それに今の自分の持っている日本以外の技術・手続き関連の情報を集めて提案とし、それを現実のものに持っていくだけでしたが、そのプロセスで「真の問題点」を見出せたことが勝因となりました。
この経験は私の人生で大きな学びとなっています。


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