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2019.08.13営業スキル関連

営業スキル:一人で喋り続ける営業は嫌われる

営業同行で一番感じるのは「どうして一方的に一人で喋ってしまうのだろう」という事です。大半の営業担当者がこの傾向にあります。
同行している上司が、それを止めずにそのまま喋らせていることが多いことにも驚かされます。

最もこの状況に陥るのは「初回訪問」「新商品紹介」です。
特に「新商品紹介」は顕著です。ほとんどの営業担当者が「本日は新しい商材を持ってきました」「今回出た新製品です」と紹介するなり、すぐにその商材の説明を開始してしまいます。
その商品のスペック、特長、どこにどのように使うか、等を説明し始めるのです。
私が手術器具を売っていた時、必ず相手のニーズを先に確認してから紹介を始めるように訓練されました。

例えば、「一般外科」の先生に売りこむにあたっては、その先生の専門が「上部消化管(胃・食道など)」「下部消化管(小腸、大腸、直腸など)」「実質臓器(肝臓・胆のう・膵臓・脾臓など)」のどれなのかを理解していないと大変なことになりす。
たとえば胃癌の専門医に、大腸癌手術に使う機器を売りこんでも「私の専門くらい調べて来い!」と怒鳴りつけられるでしょう。
また実質臓器専門医と分かって居ても、その先生がどの臓器を主に扱っているか分からなければ、的外れな機器を紹介する事になるかもしれません。

このような事にならないためには必ず、新商品紹介の前に「最近一番多い症例は何ですか?」と聞きます。そうすれば「肝臓かな」などと答えてもらえるので、自分が紹介したい機器が肝臓用なら紹介が可能です。しかし胆のうがメインと分かったら、本日の商談内容を変えなければなりません。

このようなお医者様向けの営業に限らず、どのような営業同行であっても「新商品紹介の商談」に立ち会うと、相手が「最近どのような案件に関わっているのか?」「どの顧客層に興味を持っているのか?」「どのエリアのビジネスを主に担当しているか?」を聞くことなく、商材の説明を始めてしまうのです。

会社は生き物です。
半年、一年でその担当者の扱い品やテリトリーが変わって居る事はよくあります。それを「今まで通り」と勝手に思いこんで紹介を始めたところ、変わって居たら先方はどのような気持ちになるでしょうか?
「この商品、全然今の私の仕事に関係ないな。勝手に喋られて迷惑だなあ」と思っているかもしれません。

困った事に商談相手の多くは「それ、悪いけどうちでは使えないよ」と早い段階で言ってくれません。結構説明が進んで「いかがでしょうか?どこか使えそうな案件、ありますか?」と営業担当者が聞いてから初めて「悪いけど・・」と言う場合が多いのです。
みなさんも経験があるのではないでしょうか?

ですから既に取引のあるお客様のところでも、必ずその商材を使う機会があるのかどうか、事前に探ってから話をすべきなのです。
これが「5つのスキル」で紹介している「プローブ」というスキルで、日本の営業が苦手としているものなのです。

プローブとはみなさんが知っているスキルで一番近いのは「相手のニーズを探る」です。
しかしアメリカ式のプローブはもっと実践的です。これについてはブログの別の記事「相手のニーズを探る『プローブ』というスキル」で説明をしたいと思います。


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