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2019.08.09コーチングスキル関連

商談後の営業コーチングで「パーキングロット」を活用する

ブログ記事「部下に商談中のフォローの意図を理解させる」で、ある役員が商談中に17回サポートをしたのに、部下が3回分しか覚えていない事例を掲載しました。
これには面白いお話しがあります。この役員自身は自分のサポート回数を「10回分しか覚えていなかった」のです。
さて、この17回、10回、3回という数の差はどうして起きたのでしょうか?いつも研修でこの質問をするのですが、ピンと来ない人も結構いるのです。

先ず部下が17回もサポートをしてもらいながら、3回しか覚えていない状況です。
この時の部下は、上司のトークを全くメモしていませんでした。役員である「上司の言葉に聞き入っていた」と本人は言いますが、「安心しきっていて緊張感がなかった」のかもしれません。あるいは「商談を役員に任せきりになっていた」のでしょう。メモをとって、役員のトークから学ぼうと言う気持ちがそもそもなかったのかもしれません。

役員が17回のうち、10回分しか覚えていなかったのは、どうしてでしょう?
マネージャー、上司の皆さんが商談中に行うサポートは「無意識・本能的・アドリブ」で行われます。シナリオなどありません。つまり、その場その場で臨機応変に対応されているのです。
これを全部覚えて置けと言う方が無理なお話です。
しかし商談中のフォロー内容こそが、部下に伝えたい事、コーチングしたい事柄なのですから、これを何とか忘れないで全て伝えたいものです。

そこで役に立つスキルがパーキングロットというスキルです。これは日本語では「駐車場」という意味です。駐車場に入れた車は必ず出します。
それと同様に、「コーチングしたい内容」を一度メモしておき、あとでとりだして部下に伝えるのです。「入れたものは必ず出す」という意味ですね。「商談中に気づいたことは、もれなくコーチングする」という事を思い起こさせてくれます。

商談中、自分がフォローした内容を短く手帳にメモしましょう。
「自分の資料の方が効果的」と言う事を伝えたかったのなら「しりょう」とメモします。ひらがなで構いません。とにかく、短時間でさっと書きます。
「相手の質問の意図を思いこまない、ちゃんとリスニングする事」を伝えたい場合「相手のいと」などとメモします。

これにより、部下に対するコーチングでたくさん伝えることが出てくるでしょう。

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