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2019.08.01コーチングスキル関連

パワハラ・モラハラを無くす「レコグニション」

「レコグニション(Recognition )」という言葉は日本では、ほとんど知られていません。これについては「レコグニションを活用してフィードバックを行う」と言う記事で、レコグニションについて簡単に触れていますのでご参照下さい。

実際にマネージャー研修で「みなさんの多くは普段『無意識に』レコグニションを行っています。」とお話ししても、ほとんどの方がピンと来ないようです。
みなさんは、部下の業績を上げるために、上司は何らかのレコグニションをしているはずです。

たとえば、普段の仕事ぶりを観察して、無理はしていないか把握したり、食事に連れていって話しを聞いたり、時にはストレスのガス抜きをしたりしてあげているはずです。
これらは自身も上司からしてもらってきた事ですし、学生時代の部活で後輩のモチベーションを上げるために行ってきた手法のはずです。
しかしほとんどの方がそれが「部下に関心を示すレコグニションである」事に気づいていません。

パワハラ・モラハラを行う上司は、「部下の人格や人間性、人生、家庭など」について何も気にしません。その部下が「上司である自分に何をしてくれるのか?」という基準でしか部下を見ていないため、「嫌ならやめろ」という気持ちで部下に対応してしまうのでしょう。

確かに手間のかかる部下のお世話は、面倒くさいかもしれません。いちいち説明して育てるのは、時間の無駄に思えるかもしれません。
しかし部下の立場で考えると「ひたすら叱られ、責められ、評価をされない」事は、自分の人格・人生の全てを否定されたような気持ちになります。

私自身そのような上司の下で何度か働いた事があるので、よく分かります。
このような上司は、人の良いところを見て育てることをせず、悪い点ばかりに注目します。

私は、社会人への適用能力が低かったのか、社会人1年生の時はなかなか仕事を覚えられず、失敗ばかりしていました。上司や先輩や当時多く居たタイピストの女性達から毎日叱られていました。
失敗が多いので、毎日のように終電車で帰宅していました。
そのような中で、部署は違いましたが、一人だけ私の事を認めてくれる先輩がいました。「お前、よくめげずにがんばってるな」という彼の一言で「自分の頑張りは認められている」という気持ちになり、モチベーションを上げることが出来ました。

仕事が出来ない部下、やる気のない部下に対しても、「彼(彼女)の良さは何か?潜在的に何を持っているのか?何をすればそれが目覚めるのか?」といつも考えるようにすると、何らかの解決の糸口が見つかると思います。
そのように部下に接するようになれば、その部下の人生や家族の事にまで関心を示すようになってきます。

それをするのがレコグニションなのです。


これらの詳細については拙著「3,000人の営業同行の現場から ~アメリカのトップ企業が使っているのに日本では使われていない営業&コーチング・スキル実践集」 「パート1(営業編)」「パート2(コーチング編)」 に記されています。書名クリックされますとAmazon電子書籍Kindleの画面に移動します。