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2021.06.03営業スキル関連

半年で売り上げを9倍にする営業スキル「イメージ&ストーリー」

営業マン必須の営業スキルなのに日本では使われていないスキル

営業マンの望みは「短期間で売り上げをアップし、トップ営業と呼ばれる事」です。たくさん稼ぎたいですから。
アメリカの営業はほとんどが成果主義(インセンティブ)ですから、売った分だけ収入が上がります。やる気も違います。

私が営業を学んだのはニューヨーク州隣のコネチカット州ですので、意欲満々の営業マンがしのぎを削っていました。
日本の営業スキルと異なり、アメリカの営業スキルは「短期決戦」タイプです。その場ですぐ成果が出る方法を徹底的にロールプレイングで叩き込みます。

私はその6週間コースの集中中途採用者向け営業研修のトレーナーをしていました。「営業の基本スキル」を教えこむのですが、その中で一番効果的なスキルが「イメージ&ストーリー」です。

ニーズを聞き出していない日本の営業マン

日本の営業マンは初回訪問は、およそ次のようなイメージで商談を進めます。

営業マン: 初めまして○○と申します。初回ですので最初に弊社の紹介をさせて頂きます。(会社案内パンフレットを用いて紹介)

相手はうなずきながら聞いています。

営業マン: それでは弊社の商品についてご紹介します。

いかがでしょうか?
「うちではそのような売り方は教えていない」と言う方が多いと思います。ロールプレイングではちゃんと「ニーズを探りながら」紹介するよう訓練されていますし、営業マンも「ニーズをさぐっているつもり」で説明しています。

しかし彼らが実際に現場でしている「ニーズの探り出し」は、以下のようなトークです。

営業マン: 最近何かお困りの事はないですか?

あるいは

営業マン: 最近なにか興味のある商材はございますか?

いかがでしょうか?よく聞くフレーズですね。
実際私の「3000人超の営業同行」経験では、これらは一番よく聞く「最も非効率な質問」です。
相手は「なるほど、こちらのニーズを聞いているんだな」と分かります。初回訪問の営業マンに対してそこまで心を開きませんから、相手は適当に答えます。

「そうね・・。特にないですね」

この答えを聞いて営業マンは「一応ニーズは聞いた、と・・・。特に困っている事も興味ある商材もない・・と」と理解して「商品紹介」に入ってしまうのです。

定期的に営業同行している営業マネージャーなら営業マンのこのアプローチが原因で成果が出ない事に気づくはずです。
購買のプロなら、この程度の探り出しで本音を言いません。

営業活動は心理学です

営業活動は心理学です。
相手が「今考えている事を把握」し、「相手の心理をコントロールする」事で「相手の現在の問題点を理解し、それを我が社の製品で解決できると提案して、買う気を高めていく」作業です。

その為に「イメージ&ストーリー」はとても有効です。
その使い方を説明しましょう。

半年で売り上げを9倍にもできる「イメージ&ストーリー」の実際の使い方

商談相手には必ず「日常的に何か不便や困った事」があります
しかしそれはいちいち覚えていませんので「何かお困りの事がありますか?」と言われても答えられないのです。

そこで「こちらが売りたいと思っている商材に関する『あるあるお困り事例集』」を用意しておくのです。
その中からこの相手が経験してそうな「うっとおしい、お困り事例」を選んで提示し、こういいます。

「このようなご経験はありませんか?」

「ない」と言われればすぐ別のネタを振ります。
しかしこの段階で相手は「この営業マンはこちらの現場をよく知ってるな。うちでは今の問題はないけれど、他社の現場で聞いた事があるぞ」と気付き、この営業マンを見直します。

すると営業マンが繰り出す次の「こんなお困りはご経験ありませんか?」と言う質問に「お、近いな」となると「ない」と答えながらも「この営業マン、分かってるじゃないか。経験、かなりあるな」と次の提案を聞くのが楽しみになります。

そしてついに「経験したことのある事例」がでてくると、膝をたたくようにして「そう!それ!あるんだよねえ・・!ほんと、困るんだよな!」となります。

この時の相手の心の中では「かつて困った状況がイメージされており、その時の不便で、面倒くさくて、不愉快だった感情」がしっかりイメージされています。

そこで「やはりそうですか・・。その時どうされました?」「どんなお気持ちでした?」「それは大変でしたね。困ってでしょう・・」と、更にその時の感情を思い出してもらうように話しを聞き出します。

相手はもうすっかりその時にタイムスリップして、感情移入しています。
もしそれがこちらの競合会社の製品を使ったトラブルなら、そしてその時クレームをつけた相手の営業マンの対応が悪かったなら、不愉快な思い出が100%脳裏によみがえっているでしょう。

そのような気持ちの相手に対して「それは大変でした」「ご苦労されましたね・・」「対応が大変だったでしょう?」「時間が余分にかかって損害でも出たのではないですか?」と聞く事で相手は「この営業マンは立派だな。良くこちらの話を聞き、私の苦労を共感し、受け止めてくれている」と感激します。

後はクロージングするだけです

もうクロージングの準備は整いました。
営業マンは後はただ「その問題ですが、弊社の商品でしたらこのように対応できます」と伝えるだけです。

仮に「それほど競合品と大きな差はなくても」相手は今までの「営業マンの共感」に感激しており、しかも競合他社を扱ってろくに対応してくれなかった「不愉快な営業マン」と比較していますから、「この営業マンの商品の方がよく見える」心理になっています。

これで十分「相手の問題を把握し、それを解決する提案ができる」ので、相手は買う気になっています。
後は「弊社の商品をお届けしますよ。いつが良いですか?」と決めるだけです。

これが「イメージ&ストーリー」です。

このスキルを使っている営業マンは日本では私はほぼ見た事がありません。
たまにトップ営業の人が「たまたま」そのような流れになって使った場面を見ましたが、あとで聞くと「あれはまぐれです」と自身のスキルでは無い事を認めました。
スキルではないので、意識してあの状況を作りだす事は無いのです。

これは重要な事です。
「自分のスキルと認識していない事は部下や後輩に教えられない」のです。

営業本で営業スキルを営業マンに身につけさせましょう

Amazon電子書籍「3000人の営業同行の現場から パート①」は営業マン必須の営業スキルについて書かれたものです。
新卒営業マン、他部署から営業マンとして移動してきた人材のように営業新人には、今のコロナ禍では、研修の時間をなかなか取る事ができないでしょう。

この本は、私が一部上場企業や外資系企業で教えてきた内容そのものと、同行現場で見聞きした実践的なケーススタディーが多く掲載されていますから、新卒営業マンにはインストールさせて読ませるだけで、イメージトレーニングが可能です。
今年の新卒研修はほとんどがオンライン・Zoom等の研修ですので、各自のスマホやiPadにインストールさせ、研修の合間に流し読みするだけでも十分理解できます。

また中途採用の営業マンの研修にもお役に立ちます。
ほとんどの日本企業では、中途採用の営業マンに対する営業研修は「商品知識」と「お客様の紹介」だけです。営業スキルについては皆無で、数日で独り立ちです。「即戦力の中途社員」は当惑するばかりです。しかし「研修して欲しい」等と言おうものなら「即戦力じゃないのか?」とやり返されるのを恐れて、みなさん何も言えないようです。

そのような方々に「この本は日本では使われていないけれどアメリカの営業マンは普通に使っている営業スキルらしい。これを学んで半年で売り上げが4倍になった実例もあるらしい」「半年で見積もり提出数が9倍になった会社もある」と配布してあげて下さい。

きっと喜んで活用されると思います。
その場合、上司の方はお気をつけください。この本を読んだ中途採用の営業マンは短期間で成果を上げますから、上司を追い越してしまうかもしれません。

営業マネージャー向けに営業コーチング・スキルを営業本で学びましょう

上司が中途採用の営業マンに追い越されないために、営業コーチングスキルを学びましょう。

日本企業では営業コーチング・スキルはほぼ100%といって良いほど教えられていません。私は見た事がありません。

Amazon電子書籍「3000人の営業同行の現場から パート②」は、営業マネージャーのコーチングスキルについてたくさんの事例を紹介しています。

「正しいフィードバック」「部下に何を教えるか?」「営業同行の正しい方法」「営業同行の前と後で何を行うか?」「部下にあなたのスキルを教えるにはあなた自身のスキルを認識しなければならない」などについて考える機会になるでしょう。

アメリカの営業マネージャーでこれを身につけていない者は、降格・解雇されます。それは部下・組織を育てるスキルが無いからです。

日本では誰もこの点についてトレーニングの必要性を訴えません。会社の要である営業部隊の訓練はまさに「営業マネージャーのコーチング・スキルにかかっている」と言っても過言ではないのです。

Youtube で営業スキルを学びましょう

営業スキルを学ぶ為のノウハウは、Youtube でも学べます。

「アメリカ式営業スキルをYoutube画像で学ぶ」をクリックすると、31のYoutube 画像が表示されます。私が分かりやすく解説していますので、こちらもぜひご覧下さい。

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一般社団法人メンター 代表理事 池田和政