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2021.05.18営業スキル関連

営業マネージャーは誰も「自分の営業スキル」「コーチングスキル」も知らないので、営業マンに営業スキルを伝えていません

営業マンを育てるための「営業マネージャー必須のコーチング・スキル」とは

Amazon電子書籍「3000人の営業同行の現場からパート②」は営業マネージャー向けに「コーチングスキル」をお伝えしています。

日本の営業研修で課長~役員の方々に「コーチング・スキルについて学んだことがありますか?」と尋ねたところ、ほぼ100%の方が「管理職研修は受けたが、時間管理・目標管理・組織管理などの管理術が中心だった」と言います。

日本企業で「部下を育てるコーチング・スキル」についてちゃんと教えている所はほとんど見当たりません。
それでも最近は「メンター」という役割を社内で採用している企業も増えてきました。

メンターとは「師匠・先輩・導き手・相談に乗ってくれる人」といった意味合いで、ある企業では入社3~4年目の社員が新入社員に一人ずつ割り当てられて、1年ほど面倒を見ると言う仕組みです。

しかし肝心の「営業スキルを部下に伝えるコーチング術」については、まだまだ普及していません。
やはり研修で「営業スキルをどのようにして学びましたか?」と尋ねると「現場に連れて行かれて『俺のする事をよく見ておけ』と言われ、見よう見まねで学んだ」と言う答えが大半でした。

昭和の営業研修はほとんどが「OJT (On the Job Training)」という名前行われた「現場研修」でした。

ほとんどの上司が自分のスキルが何か知りません

問題は、上司がこのような「俺の背中を見て学べ」式で育てられたので「どのようにして部下に自分のスキルを伝えたらよいか分からない」と言う事です。

何よりも問題なのは大半の上司が「自分の営業スキルが何か分からない」事なのです。

研修で課長~役員の方に「あなたのスキルを10個書き出して下さい」と言い、紙を渡すと、ほとんどの方が3つから5つで行き詰まってしまいます。
最初からひとつも書けず、うなってしまう人も居ます。

これが外資系企業や欧米企業なら、みんな即座に10以上書き出します。

この違いは何でしょう?
どうして日本企業は課長~役員にも関わらず、「自分のスキルを書けない」のでしょう?
彼らが外資系企業に転職しようとすると、必ず面接官からこの質問をされますが、言い澱んだ瞬間に「不合格」サインがともるでしょう。
私も外資系の役員をしていた時に中途採用面接をよくしましたが、日本企業からの候補者にはこの傾向がありました。

この違いは何でしょう?
どうして日本企業は課長~役員にも関わらず、「自分のスキルを書けない」のでしょう?
彼らが外資系企業に転職しようとすると、必ず面接官からこの質問をされますが、言い澱んだ瞬間に「不合格」サインがともるでしょう。

外資系企業では、それほど自身のスキルやコンピテンシー(自分が成果を上げる時に一番良く用いているスキルや得意な分野)について普段から意識し、自分の強みを鍛えています。それは「自分のスキルを知らないと、部下にそれを伝えられない」からです。
そしてそれは「部下を育てられない」事になり、マネージャーの責任である「部下を育てる責任」を果たせない人につながります。すなわち、会社にいられなくなるわけです。

営業マネージャーの責任は何でしょう?

日本企業の研修で「営業マネージャーの責任はなんですか?」と聞くと、ほとんどの人が「目標の達成」と答えます。
しかし欧米企業ではみなさん「部下の育成」と答えます。

もちろん「部下の育成はできているけれど、目標が達成出来ない」マネージャーは解雇されてしまいます。
それでも「優先順位は部下の育成」なのです。目標達成は「当然の事」なのですね。

営業マネージャーが絶対に身につけていなければならないのは、「部下を育てるスキル」つまり「コーチング・スキル」なのです。
そしてそれは 、Amazon電子書籍「3000人の営業同行の現場からパート②」 に私の3000人超の営業同行の経験と、私自身が学んできた欧米式のマネージャー・スキルから多くの実例と共に記してあります。

例えば「真のフィードバックとは?」

日本企業のほとんどで、アメリカとは全く間違ったフィードバックが行われています。
日本企業の研修で「上司から『これからフィードバックをするよ』と言われたらどう感じますか?」と質問すると、100%の方が「緊張する」と答えます。
ただ一人、一番前に座って居た入社1年目の若い女性が手を上げて「わくわくします」と答えました。
そして他のみんなが「え~?」と声を上げたので皆を見て「え?どうしてですか?フィードバックでしょ?わくわくしないんですか?」と答えたものです。

彼女は絶対アメリカ育ちだと思いました。果たしてその通り、帰国子女でした。

アメリカではフィードバックは「わくわくする時間」なのです。
つまりFeedbackのFeedはFoodの動詞形で、「栄養を与える」という意味なのです。
それが日本企業で行われているフィードバックは「説教・ダメ出し・叱責」が延々と上司から語られる時間なんですね。これではわくわくするはずがありません。

日本企業の上司は、部下のモチベーションを上げる方法を知りません。
江戸時代の職人・親方関係から変わらない 「俺の背中を見て学べ」式が何百年と続く、日本固有の文化があるのです。
こうして日本ではコーチング・スキルが育たないのです。

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一般社団法人メンター 代表理事 池田和政