営業マンが相手の言葉・反応に気づかないのは、新商品のカタログを手元に持ちながら説明しているから!
商談中、多くの営業マンが相手の言葉をスルーしています
3000人超の営業同行をしてきた中から、見事な「スルーっぷり」をご紹介しましょう。
<事例 ①>
・営業「本日は新商品の紹介をさせて頂きます・・・(顧客は説明の途中でコメントをしました)」
・顧客「これ、いいね。使えそうだよ」
・営業「ありがとうございます!さらにこれには特別な機能がついています」
・顧客「ふうん」
いかがですか?スルーに気づきましたか?
この時の顧客の心理が想像つきますか?
ちなみに、商品紹介が終わった後、相手がその商品の話しをする事はありませんでした。
営業マンは「新商品の説明ができた」事で満足してしまい、「相手が反応していた事」も「相手がその後二度と新商品に関心を示さなかった事」にも気づきませんでした。
このケースを研修などでみなさんに紹介しますと、大笑いされます。「そんなひどい奴はいないでしょう?」と言うのです。
しかし、このような例はいくらでもあるのです。
次の事例です。
<事例 ②>
・営業「最近、お仕事は忙しいですか?」
・顧客「有難い事にオリンピック景気でね!」
・営業「ほう、オリンピックですか!すごいです!今日は新商品のカタログを持ってきましたのですが」
・顧客「・・・」
見事なスルーっぷりですね。
次はいかがでしょうか。
<事例 ③>
・営業「最近、ビジネスはいかがですか?」
・顧客「(よく聞いてくれた、と言わんばかりに嬉しそうな表情で)いやあ、それがね新しい事始めようと思っていてね」
・営業「へえ、新しい事ですか。素晴らしいです!実は今日はうちも新商品のカタログを持ってきたんです」
・顧客「・・・」
・営業「こちらです・・・(5分ほど話す)・・」
・顧客「さっき言いかけた、うちが始めようとしている新しい事なんだけどね・・」
・営業「あ、すみません。もう少しで終わります。もうちょっと話していいですか?」
・顧客「・・・」
今回は2回もスルーしています。
しかもこの事例では、営業担当役員も一緒にいたのです!
このケースなどみなさん爆笑します。「絶対にありえない!池田さん、話しを盛っているでしょう!」と言われるほどです。実際のケースです。驚きますね。しかしこのようなケースが実に多いのです。
みなさん、自分のスルーに気付いていないだけなのです。
営業マンがスルーしてしまう理由
どうしてこんな見事なスルーが起きてしまうのでしょうか?
事例①と③はどちらも「新商品の紹介」で訪問しています。そして両方とも「新商品カタログ」を持っていました。
しかも事例③では営業担当役員が同席していました。
このような場合、カタログがスルーの原因になっていますので、要注意です。
営業マン、営業マネージャー、先輩いずれの場合も「新規商品」等の紹介時は「意気込んでしまいます」。
しかもカタログが手元にあると、学んできた事を全て伝えたくなります。目の前に資料があるので、「あれもこれも話したい」という気持ちになるのですね。
事例③で同席していた営業担当役員は、部下が「もう少しで終わります。もうちょっと話していいですか?」と言っても一緒になってニコニコしていました。
商談後のフィードバックで確認すると、二人ともスルーした事に気づいていなかったのです。
一番大きな原因は「話したい事で頭が一杯で、相手の反応に気づかなくなってしまう」事なのです。
このような事例が営業本、Amazon電子書籍「3000人の営業同行の現場から~パート①」にたくさん載っています。また「パート②」には、営業マネージャーの事例がたくさん載っています。ぜひご一読下さい。
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