営業コーチングスキル: 営業同行の目的➡スキルの継承

営業同行はとても有効な訓練の場です。
しかし多くの営業マネージャーの方がこれを実施していません。実施している方でも効果的な方法で行えず、せっかくのコーチングの機会を無駄にしていることが大半で、非常にもったいないと感じます。

営業マネージャー研修や同行営業の合間に「営業同行の目的は何だと思いますか?」と聞くと多くの方が「売り上げ目標の達成」と答えます。
もちろん、それは大切です。それを果たしていない営業マネージャーは、アメリカ企業ではすぐに解雇されてしまいます。

しかしアメリカの営業マネージャーにはもう一つ「後継者の育成」という責任が与えられます。
自身が昇進するためにも、優秀な後任が居ないと出世することができません。
アメリカ企業において、人材を育てるスキルは「幹部として上に立つ者」に必須のスキルです。そのために営業マネージャーは「売り上げ目標の達成」と同時に「後継者の育成」も達成しなければなりません。

そこで同行営業において、部下を丁寧に育てます。

同行営業では、以下のことを行います。

①上司のスキルの継承
②商談で得た情報の確認、すり合わせ
③商談中に感じた部下のスキル不足の改善

上司は部下に「自分の知識、経験」から教えますね?それ以外から教えることはできません。つまり、自分が持っている以上の事を部下に教えることは不可能なのです。
しかし、やっかいなことに上司のスキルは「職人技的な固有スキル」が多く、上司自身も認識していないものが多いのです
したがって、「自分の知識、経験」のうち最も重要な「固有のスキル」を伝えることができていないのが、3,000人の営業同行をしてきた私が見てきたことです。

みなさんは自身のスキルが何かを、認識されていますか?

この質問を一部上場企業の役員の方々対象のコーチング研修でしたところ、全員がすぐに答えられませんでした。
そこで、私が彼らと同行した時のエピソードを思いだしてもらいながら、それをヒントに自身のスキルに気づいてもらいました。

部下からすれば「上司や役員はスーパーマンのように見える」かもしれません。それは彼らの持つスキルがそう見せているからでしょう。
しかし、部下にはどれが役員のスキルなのか分かりません。まるで魔法のように「気づいたら相手の機嫌が直っていた」「知らない間に商談がまとまっていた」という状況は同行で部下がよく口にすることです。

ほとんどの上司が「スキルの発動」を無意識に行っていますから、部下には「それが上司のスキル」だと理解出来ない事がほとんどです。
部下が同行中に上司から学んでいるとすれば、それは
「たまたま部下に理解させることができた」
「たまたまカンの良い部下が上司のスキルに気づいた」
「観察力の良い部下だけが上司のスキル・奥義を盗み取れた」
というわけです。

大切なことは、上司は部下に自分のスキルを伝えるためには「自分のどのスキルが相手を動かしているのか?」を認識していなければならないということなのです。
特に強いスキルで「自分が業績をあげるのに一番活用しているスキル」をコンピテンシー(Competency)と呼びます。
これは外資系の採用面接で必ず聞かれるものです。この質問に戸惑ったり、考え込んでしまうと採用はまず望めません。
なぜなら外資系企業では、コンピテンシーはとても重要視されているからです。
これを普段認識していないと「自分の強み」が分からず、「どのスキルを使って効果的に業績を上げるか」が分かっていないわけですから、有用な人材とは言えないのですね。

「自分のスキルはなんだろう?」と今すぐ考えてみて下さい。そしてそれを10個はすらすらいつも言えるように常に意識するようにして毎日の営業活動をおこなうようにお勧めします。

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